" /> 東京入谷朝顔市2025|恐れ入りやの鬼子母神で選ぶ粋な朝顔 - 心根の日々 , Days Rooted in the Heart.

東京入谷朝顔市2025|恐れ入りやの鬼子母神で選ぶ粋な朝顔

朝露に濡れた団十郎の朝顔が、夏の朝日を浴びて咲く様子。 日本文化・季節の行事
  1. 入谷朝顔市2025 ― 夏はここから始まる
    1. “恐れ入りやの鬼子母神” を彩る三日間(7/6–8|5:00–23:00)
    2. アクセス&会場マップ
    3. 鉢は2,000円前後|番号制度で”推し店”をキープ
  2. 江戸から続く朝顔文化の系譜
    1. 遣唐使が運んだ薬草から観賞花へ
    2. 大田南畝と”変わり咲き”ブーム
    3. 大正の中断・昭和23年の復活物語
    4. 朝顔市が今も愛される理由 ― “朝露と人情”
  3. わが家の朝顔物語 ― 母と色水屋さんごっこ
    1. 6人兄弟と夏休み、毎朝開店の色水屋
    2. 母が見守った汗と笑いの原風景
    3. 時をこえて継ぐ鉢 私が毎年植えるわけ
  4. 2025年の育成日誌|団十郎・暁の雪・江戸の朝空
    1. 選んだ3品種のプロフィール
    2. 摘芯・追肥・誘引のタイムライン
    3. トラブルシューティング|葉焼け・うどんこ病メモ
  5. 入谷朝顔市の歩き方|時間帯別モデルプラン
    1. 早朝 5:00 ― 花好きの至福コース
    2. 午前 11:00 ― 歩行者天国と下町グルメ巡り
    3. 夕涼み 19:00 ― 夜風と宵の余韻を味わう
  6. 朝顔市で購入した朝顔鉢の育て方ガイド
    1. 光と水分管理
    2. 自宅で育てる場合のプランターの育て方
  7. よくある質問 FAQ
    1. Q1:朝顔市の鉢を宅配できますか?
    2. Q2:団十郎の花色が薄いのはなぜ?
    3. Q3:真夏の水切れ予防策は?
  8. まとめ|”朝顔市に行く or 育てる” 夏の選択
    1. 現地で味わう江戸の粋
    2. 自宅で育む朝顔の歓び
    3. あなたの夏物語を始めよう

入谷朝顔市2025 ― 夏はここから始まる

“恐れ入りやの鬼子母神” を彩る三日間(7/6–8|5:00–23:00)

入谷朝顔市2025は、今年も7月6日から8日までの3日間開催されます。朝5時から夜23時まで、曜日に関係なく毎年同じ日程で行われるのが特徴です。

朝顔の花が最も美しく咲く早朝から、夜の涼しい時間帯まで楽しめるよう、長時間の開催となっています。歩行者天国は曜日によりますが12時から始まり、言問通りが賑やかな朝顔市の会場に変わります。

夜間は提灯の明かりが灯り、昼間とは違った風情を楽しめます。2024年の来場者数は約30万人を記録し、コロナ禍前の水準に戻りつつあります。

アクセス&会場マップ

最寄り駅はJR山手線・京浜東北線の鶯谷駅(南口)と東京メトロ日比谷線の入谷駅(1番・2番出口)です。どちらの駅からも徒歩3分程度で会場に到着します。

鶯谷駅からは南口を出て、言問通りを西へ進むルートがおすすめです。入谷駅からは1番出口を出てすぐ目の前が会場となるため、初めての方でも迷いません。

車椅子やベビーカーを利用される方は、以下の点にご注意ください。

  • 歩行者天国開始前(11時前頃から)は歩道が狭い
  • 入谷駅にはエレベーター設置あり
  • 鶯谷駅南口は階段のみ(北口にエレベーター)

鉢は2,000円前後|番号制度で”推し店”をキープ

朝顔の価格は東京朝顔研究会によって統一されており、1鉢2,000円前後が相場です。3鉢セットで5,000円など、まとめ買いでお得になる店舗もあります。

各店舗には番号が付けられており、毎年同じ番号で出店しています。お気に入りの生産者を見つけたら、番号をメモしておけば翌年も同じ店で購入できます。

品種や仕立て方によって価格は多少変動しますが、組合価格なので安心して購入できます。支払いは現金のみの店舗が多いため、事前に準備しておきましょう。

江戸から続く朝顔文化の系譜

遣唐使が運んだ薬草から観賞花へ

遣唐使が運んだ薬草から観賞花へ

朝顔は奈良時代末期から平安時代にかけて、遣唐使によって日本に伝えられました。当初は種子を下剤として用いる薬用植物でした。

「牽牛子(けんごし)」と呼ばれた朝顔の種は、貴重な漢方薬として珍重されていました。しかし江戸時代になると、その可憐な花の美しさに人々が魅了されるようになります。

薬草から観賞用への転換は、江戸の園芸文化の発展とともに進みました。特に文化・文政期(1804-1830年)には、朝顔栽培が庶民の間で大流行します。

大田南畝と”変わり咲き”ブーム

狂歌師として名高い大田南畝((おおた なんぼ)は「恐れ入りやの鬼子母神」の句で入谷を有名にしました。彼の活躍した時代、朝顔の品種改良が盛んに行われていました。

「変わり咲き」と呼ばれる特殊な花形の朝顔が次々と生み出されました。花びらが細く切れ込んだ「獅子咲き」、花弁が幾重にも重なる「八重咲き」など、現代では失われた品種も多く存在しました。

武士から町人まで、身分を問わず朝顔栽培に熱中した江戸の人々。朝顔は単なる花ではなく、技術と美意識を競う文化的な営みでした。

大正の中断・昭和23年の復活物語

明治時代まで続いた入谷の朝顔市は、大正2年に一度途絶えてしまいます。都市化の波と関東大震災の影響で、入谷の園芸業者が激減したためです。

しかし戦後の昭和23年、地元有志の努力により朝顔市は復活を遂げます。焼け野原から立ち上がろうとする人々にとって、朝顔は希望の象徴でした。

復活から70年以上が経過した現在も、入谷朝顔市は東京の夏の風物詩として愛され続けています。伝統を守りながら、新しい品種も取り入れる柔軟さが、長く続く秘訣かもしれません。

朝顔市が今も愛される理由 ― “朝露と人情”

早朝5時から始まる朝顔市には、特別な魅力があります。花びらが朝日に輝く瞬間は、何度見ても心が洗われるのではないでしょうか。

生産者の方との会話も朝顔市の楽しみのひとつです。育て方のコツを教えてもらったり、品種の特徴を聞いたりする時間は、ネット通販では味わえない体験です。

現代においても朝顔市が愛される理由は以下のとおりです。

  • 日本の夏を感じる季節行事として定着
  • 生産者と直接交流できる貴重な機会
  • 江戸の粋を現代に伝える文化的価値
  • 都会のオアシスとしての癒し効果

わが家の朝顔物語 ― 母と色水屋さんごっこ

6人兄弟と夏休み、毎朝開店の色水屋

田舎に引っ越した両親のもと、私たち6人兄弟は毎年夏になると朝顔で遊びました。母が植えた濃い赤、青、水色、淡いピンクの朝顔は、私たちの格好の遊び道具でした。

誰かが店主になり、小石をお金代わりにして色水屋さんごっこが始まります。「いらっしゃいませ~、美味しい色水ありますよ~」という元気な声が、自宅の庭に響きました。

咲いたばかりの大きな花を集めて作る色水は、ガラスのコップに入れると朝陽に透けてキラキラと輝きます。実際には飲めませんが、色水のキレイさに子ども心は満たされました。

母が見守った汗と笑いの原風景

12歳差のある6人兄弟が、順番に起きて集まる朝の風景。母は洗濯物を干しながら、私たちの遊ぶ姿を優しく見守っていたような気がします。

玉のような汗をかきながら夢中で遊ぶ私たち、朝顔がしおれる時間まで、色水屋さんは毎朝営業を続けました。

子煩悩だった母にとって、朝顔と私たち兄弟姉妹が織りなす夏の朝は、かけがえのない時間だったのでしょう。今思えば、夏の朝の風景は母の宝物だったのかもしれません。

時をこえて継ぐ鉢 私が毎年植えるわけ

母が亡くなり、兄弟姉妹がそれぞれの家庭をもった今、私は毎年夏になると朝顔を植えています。小さな中古の持ち家のわずかなスペースにプランターで植え付け、懐かしい思い出とともに朝顔を育てます。

2025年の今年は、GWの大宮盆栽まつりで出会った朝顔苗売りのご主人から3鉢を購入しました。団十郎と、ご主人おすすめの青と白の江戸好みな粋な組み合わせです。

朝顔を植える理由は単純です。子供の頃の色鮮やかな夏休みを、今も心のどこかで追いかけているからです。そして入谷朝顔市のホームページを見るたび、今年も夏が始まると実感するのです。

2025年の育成日誌|団十郎・暁の雪・江戸の朝空

選んだ3品種のプロフィール

Morning-glory “Edo no asazora”(江戸の朝空)2025年6月撮影
Morning-glory “Danjuro”(団十郎)2025年6月撮影
Morning-glory “Akatuki no yuki”(暁の雪)2025年6月撮影

今年育てている3品種は、それぞれに個性的な魅力をもっています。江戸時代から愛される伝統品種と、現代の技術で生まれた新品種の組み合わせです。

1.団十郎(Danjuro)は、渋い柿茶色の花を咲かせる希少品種です。歌舞伎役者・市川團十郎の名に由来し、その茶色は歌舞伎の「柿色」を思わせます。江戸時代から続く品種で、現在では種の入手が困難なため、愛好家の間で大切に守られています。

2.暁の雪(Akatsuki-no-Yuki)は、白一色が美しい品種です。朝露に濡れた花びらは、雪のように清楚でしょう、。花径は大きく、見応えがあります。

3.江戸の朝空(Edo-no-Asazora)は、涼感あふれる夏の空のような品種です。爽やかな青で、暑い夏の朝に一服の清涼剤となります。

摘芯・追肥・誘引のタイムライン

朝顔栽培の成功は、適切なタイミングでの手入れにかかっています。植え付けて、本葉が7-8枚になったら摘芯を行います。摘芯により脇芽が伸び、花数が増えるためです。

追肥と誘引の目安は以下のとおりです。

  • 6月上旬:1回目の摘芯と支柱立て
  • 6月中旬:液肥を週1回開始
  • 6月下旬:つるの誘引開始
  • 7月上旬:開花前の追肥強化
  • 7月中旬以降:花がら摘みを適宜実施

トラブルシューティング|葉焼け・うどんこ病メモ

朝顔栽培でよく遭遇するトラブルと対処法をまとめました。早期発見・早期対処が被害を最小限に抑えるコツです。

葉焼けは強い直射日光が原因で発生します。特に西日は要注意です。午後からは遮光ネットや簾で日差しを和らげましょう。

うどんこ病は梅雨明けに発生しやすい病気です。白い粉をふいたような症状が出たら、病気の葉を取り除き、風通しを良くします。予防として、水やりは株元に行い、葉に水をかけないよう注意が必要です。

入谷朝顔市の歩き方|時間帯別モデルプラン

早朝 5:00 ― 花好きの至福コース

朝顔が最も美しく咲く早朝5時。まだ人出も少なく、ゆっくりと品定めができる贅沢な時間帯です。

生産者の方々もお時間があるでしょうから、栽培に関するお話や品種の特徴を詳しく教えてくれます。

早朝ならではの楽しみ方は以下のとおりです。

  • 全開の花を間近で観察できる
  • 生産者との会話をゆっくり楽しめる
  • 写真撮影に最適な光線状態
  • 涼しい時間帯で体力的に楽

午前 11:00 ― 歩行者天国と下町グルメ巡り

11時からは言問通りが歩行者天国となり、朝顔市は最も賑わう時間帯を迎えます。屋台も増え、祭りの雰囲気が最高潮に達します。

朝顔を見ながら、かき氷や焼きそばなどの屋台グルメを楽しむのも朝顔市の醍醐味でしょう。地元の飲食店も特別メニューを用意していることがあります。

家族連れやカップルには、この時間帯がおすすめです。ただし混雑するため、小さなお子様連れの方は迷子にご注意ください。

夕涼み 19:00 ― 夜風と宵の余韻を味わう

夕方以降の朝顔市は、昼間とは違った風情があります。提灯の明かりがともり、夜店の雰囲気が漂います。

朝顔の花は閉じていますが、葉の緑が夕闇に映え、明日の開花を待つ蕾が愛おしく感じられます。平日はお仕事帰りに立ち寄る人も多く、大人の時間が流れています。

朝顔市で購入した朝顔鉢の育て方ガイド

光と水分管理

朝顔は品種により、必要な日照量と水分量が異なります。基本的には日当たりを好みますが、真夏の西日は避けたほうが良いでしょう。我が家の朝顔を参考にご紹介しますと、団十郎は特に水切れに弱い品種です。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。暁の雪と江戸の朝空は、やや乾燥気味を好むため、水のやりすぎに注意が必要です。

水やりのポイントは以下のとおりです。

  • 朝の涼しい時間帯に行う
  • 株元に静かに注ぐ
  • 真夏は朝夕2回の水やり
  • 受け皿の水は必ず捨てる

自宅で育てる場合のプランターの育て方

プランター栽培は、場所を選ばず手軽に楽しめます。深さ20cm以上、直径30cm以上のプランターを選びましょう。

土は市販の培養土で十分ですが、水はけを良くするため赤玉土を2割程度混ぜると良いでしょう。植え付け時に緩効性肥料を混ぜ込んでおきます。

支柱は早めに立ててください。つるが伸び始めてからでは、絡まって作業が困難になります。あんどん仕立てが、省スペースでおすすめです。

よくある質問 FAQ

Q1:朝顔市の鉢を宅配できますか?

多くの店舗で宅配サービスを利用できます。遠方から訪れる方や、たくさん購入する方には便利なサービスです。

宅配を希望する場合は、購入時に店員に申し出ましょう。送料は別途必要ですが、丁寧に梱包して発送してくれます。ただし、繁忙期のため、到着まで数日かかる場合があります。

注意点として以下があります。

  • 宅配は店舗により対応が異なる
  • 送料は購入者負担(1,000~2,000円程度)
  • 配送中の痛みは避けられない場合も
  • 到着後すぐに水やりが必要

Q2:団十郎の花色が薄いのはなぜ?

団十郎特有の渋い柿茶色は、栽培条件により濃淡が出やすい品種です。花色が薄くなる主な原因は、日照不足と肥料過多です。

団十郎は十分な日光を浴びることで、本来の深い色合いが出ます。半日陰では花色が薄くなりがちです。また、窒素肥料が多すぎると葉ばかり茂り、花色も薄くなります。

美しい色を出すコツは、リン酸・カリ分の多い肥料を使い、日当たりの良い場所で育てることです。朝日をしっかり浴びせることで、江戸時代から愛される独特の色合いを楽しめます。

Q3:真夏の水切れ予防策は?

真夏の水切れは朝顔にとって致命的です。特に鉢植えは土の量が限られるため、乾燥しやすくなります。

基本の対策は朝夕2回の水やりですが、日中の暑い時間帯に萎れてしまう場合は工夫が必要です。鉢を二重にして間に水を含ませたミズゴケを詰める方法や、鉢の下に水を張った受け皿を置く腰水も効果的です。

長期不在時の対策は以下のとおりです。

  • ペットボトル給水器の活用
  • 日陰への移動で蒸散を抑制
  • マルチング材で土の乾燥防止
  • 自動灌水タイマーの設置

まとめ|”朝顔市に行く or 育てる” 夏の選択

現地で味わう江戸の粋

入谷朝顔市2025に足を運ぶ価値は、単に朝顔を買うだけではありません。江戸から続く夏の風物詩を五感で体験できる貴重な機会です。

早朝の清々しい空気、生産者の方との生の会話、下町の活気。すべてが一体となって、日本の夏の原風景を作り出しています。スマートフォンの画面だけでは決して味わえない、生きた文化があります。

朝顔市は、慌ただしい日常から離れて、ゆったりとした時間の流れを感じられる場所です。令和の時代だからこそ、江戸の粋を肌で感じる体験は心に深く刻まれるでしょう。

自宅で育む朝顔の歓び

朝顔を育てる楽しみは、毎朝の小さな発見にあります。昨日まで固かったつぼみが、今朝は大きく膨らんでいる。花が咲く様子を見られる喜びは、育てた人だけの特権です。

団十郎の渋い色合い、暁の雪の清楚な美しさ、江戸の朝空の爽やかさ。それぞれの個性を間近で観察できるのも、自宅栽培ならではの醍醐味です。

水やりをしながら成長を見守る時間は、現代人が忘れがちな「待つ」楽しみを思い出させてくれます。スマートフォンを置いて、朝顔と向き合う時間を作ってみませんか。

あなたの夏物語を始めよう

入谷朝顔市に行くも良し、自宅で朝顔を育てるも良し。どちらを選んでも、あなただけの夏の物語が始まります。

私にとって朝顔は、母との思い出をつなぐ大切な花です。色水屋さんごっこで過ごした夏休みの記憶が、今も朝顔を育てる原動力になっています。

2025年の夏、あなたはどんな朝顔物語を紡ぎますか。江戸から続く伝統に触れながら、新しい思い出を作る。朝顔はきっと、あなたの夏を特別なものにしてくれるはずです。

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